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【第12号】イベントレポート「事業継承と共に、地域の担い手を作る」|ゲスト:奥村聡さん
2017/03/28

商店街HACKプロジェクトでは、商店街やまちに興味がある方を対象に「情報発信」「事業承継」「新規出店」「組織構築」などのテーマで年4回のイベントを企画しています。

第2回目は、2016年12月13日に京都リサーチパーク町家スタジオで開催。「事業継承」をテーマに兵庫よりひょうごエンジン株式会社代表取締役奥村聡さんを招き、お話を伺いました。

satoshi okumura

奥村 聡(おくむら さとし)さん/ひょうごエンジン株式会社代表取締役1975 年生まれ、埼玉県出身。ビジネスバトンプロデューサー。 関西学院大学卒業後、デパート勤務を経て、司法書士試験に合格。東京等で司法書士事務所を開業。 現在は神戸に移り住み、事業承継と会社再生コンサルティング業に従事。湯川カナ氏とともに、一般社団法人 リベルタ学舎の共同代表を務める。 著書に『今ある会社をリノベーションして起業する小商い“実践”のすすめ』(ソシム)などがある。 http://www.office-okumura.jp/about

「リノベーション起業」で後継者不在問題を解決する。

 

--「会社、60歳、7割、6割」

これらの数字は一体、何を表わしていると思いますか?

こちらは、国内企業で社長をしている方の平均年齢が「60歳」であること、「7割」の企業が赤字を抱えていること、そして「6割」の企業に後継者不在問題が存在していることを表わしています。(2016年・帝国データバンク調査)

hack event02

続いて、奥村さんから “とある潰れかけの布団屋を再生させる施策を考える” という数分間のグループワークが課されました。

数分後、会場からは「布団の保管やレンタル事業」「枕の専門店にする」「眠りのアドバイザーになる」など、ユニークなアイデアが出てきました。このワークを通じて、 “アイデアだけなら結構出せる”  “なんとか再生できるのではないか” という「高揚感」を感じてほしかったと奥村さん。

このように、アイデアや熱意のある若者が後継者のいない企業を承継し、新しく作り変える取り組みを「リノベーション起業」といいます。

例えば、奥村さんが関わっている淡路島プロジェクトは「淡路島で出会った素敵なみかん農家・原田さんの果物を残したい!」という思いがあり、後継者を探していたことから始まったのだとか。その後、どのように「原田さんのみかん」を残していくかを考え、現在は古民家を改装してゲストハウスとカフェを運営しておられます。

既存の事業に対して、「どうにかなるのでは」と肌で感じるもの発想を変えれば活かせるものは、リノベーション起業に取り組むチャンス。

なぜなら、 既存の企業には、仕入先や顧客からの信用、培ってきた製造技術など新規ではすぐに手に入れることのできない「資産」が多くあるため、その資産を承継できるリノベーション起業は参入のハードルが低くなるからです。

その時に気をつけることは、「そのまますべてを引き継ぐ必要はなく、捨てたり分けたりしながら継げる形にし、後継者にバトンを渡す」ということ。

会社のリノベーションをする上で大切な3つの事。

 

第一に、「捨てる」こと。

捨てるものは、常識・過大債務や不採算事業。時にはメンバー構成を考え直すこともあります。整理術と同じで、何を残して何をやめるかという選別から、再生はスタートさせていきます。

奥村さん自身は、会社を分割するという手法から「捨てる」という作業を行なっています。

第二に、「活かす」こと。

その企業や商店の良いところを見つけ出し、その魅力が活きるようにコンセプトを磨いていきます。

第三に、「出口から逆算する」こと。

目的としていることは何か、目的のためには投資費用を何年で回収しなければいけないか、といった出口を見据えて事業計画を立ててから、動き出さなければいけません。

それは会社であっても、商店街であっても同じこと。

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「商店街活性化は本当に必要なのか」

商店街活性化事業を行っている人たちの中で、この問いに対して納得性のある答えを持っている人はどれほどいるでしょうか。答えを持たずに補助金に頼っている商店街活性化事業はないでしょうか。

何のための商店街活性化なのかが明確に分かっていれば、捨てる部分が見え、出口から逆算することも可能になってきます。

今、商店街に求められる変化とは。

人情味や 個性に加えて、立地の良さなどが商店街の良さであると同時に、しがらみや事業コストの高さ、マネジメントなど、課題もあります。

奥村さんが商店街に望むのは、①風通しの良さ、②コストの安さ、③仲間がいること、④チャンスがあること。そうしたことをきっかけにしながら、若者が気軽に商店街を訪れ、事業を承継していけるような環境が生まれていくのかもしれません。

「事業継承は悲痛な話ではなく、チャンスの話として語られるようになってほしい」そういった変化が商店街に活性化をもたらす第一歩ではないでしょうか。

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参加者からのご質問

ゲストトークの後は、奥村さんを含め参加者同士で、活発な意見交換や質疑応答が行われました。

参加者:どのタイミングで事業承継をするのが良いのでしょうか?

奥村さんいろいろなタイミングがあると思いますが、会社を立て直せなくなった時はひとつのきっかけにはなります。 社長が自分はまだやれると思っている間は、自分で幕が下ろせないので。

参加者:リノベーションのためのDIYで、自分でやる場合とプロに頼む場合はどちらが価格を抑えられますか?

奥村さん専門家を巻き込んで、素人でやれる範囲や予算を明らかにしてもらうのが一番良いと思います。半素人のDIY集団に頼んでかえって高くついたことがあります。

参加者:リノベーションに投資するお金は何年くらいで回収するのが理想ですか?

奥村さん:どんな事業で開業するかや目的次第ですが、リノベーション界では2年か3年が理想と言われています。ただ、現実的には5〜7年程度だと思います。

参加者:商店街でのリノベーション事業の可能性はありますか?

奥村さん事業は、「何かできそう」という感覚を体で感じることが大事です。店が閉まるということは、その業種のニーズはあるし、設備は残っているので、チャンスでもある。あとはやり方次第ですね。

参加者:奥村さんは普段、どのように物件を探されていますか?

奥村さん探せば安くて良い物件はあります。ただし、不動産屋さんが売買している世の中の物件の大半は誰かが以前使用していたもの。良い情報を得られるネットワークに自分を置かないといけません。普通の不動産屋さんから緑まみれの家が紹介されることはまずないですからね(笑)

店じまいを考える商店主と、リノベーション起業家が出会う場の必要性。

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最後に参加者から今回のイベントに関する感想をひと言ずつ述べてもらいました。

感想の中には、「ゼロからの起業に気を取られがちで、既存の事業の活用というやり方は目から鱗で、とても勉強になった」という声がある一方で、「商店主の意識が変わっていかないと、事業承継は進まない。こういったイベントに商店主を引っ張ってくる必要がある」というご意見もありました。

-奥村さん、本日はありがとうございました。

リノベーション起業を実現するためには、“後継者不在に悩む商店主” と “リノベーション起業家” 出会わなければいけません。しかし、「赤字続きで後継者もいないし、店を閉めようかと思っている」といった悩みは世の中に出回らず、誰にも言わずに廃業する例も多くあります。「リノベーション起業」が進むためには、そうした情報が流れてくるネットワークを築くことが大切なようです。

イベント概要はFacebookページにて。

ライター
Shuya Kuroki
地域
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