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【イベントレポート】商店街ネットワークサロンvol.1_自分ごとからはじめる商店街での一歩
2019/10/11

今年度より、京都府内にある商店街、事業者、学生、府民が集まり、連携や交流を通じた商店街の活性化を目指して、様々な視点でこれからの商店街のあり方を考えるイベント「商店街ネットワークサロン(以下、商店街NS)」という取り組みが始まりました。京都府内各地で全4回、異なるテーマで開催し、2020年2月には京都経済センター(京都市)で「商店街創生フォーラム」の開催を予定しています。

第1回は、9月17日に長岡京市にある「セブン商店会」会長の林 定信さんと、京都市伏見区にある「中書島繁栄会」副会長の北澤 雅彦さんをゲストに迎え、「自分ごとからはじめる商店街での一歩」というテーマで開催されました。

当日、会場には約30名が集まり、初めにそれぞれが感じている商店街の課題や、これから商店街でチャレンジしていきたいことを共有しあいました。

イベントの司会進行を務めるのは、商店街NSの企画・コーディネートを行う(株)ツナグムのタナカユウヤさん。まずは、タナカさんから本イベントの開催趣旨や、京都府内各地の商店街活性化の取り組みの事例紹介、本日のゲストの紹介があり、お待ちかねのゲストトークの時間が始まりました。

「商店会」という立場から考えるまちのデザイン

阪急長岡天神駅から西へ徒歩5分のところにある「セブン商店会」。市道7号線の通りに位置することから、45年前にこの名前がつけられたそうです。現在、会長になって3年目になる林さんですが、商店会に入ったのは4年ほど前のこと。まずは、これまでの取り組みについてお話を伺いました。

林 定信(はやし さだのぶ)氏
株式会社テンマ代表取締役/美容サロンMINTHOUSEオーナー/セブン商店会会長

1952年生まれ 京都市左京区在住。 大学卒業後地方銀行へ入行し10年間営業畑。 脱サラしバブル景気を背景に長岡京市で不動産業を起業。1年後空き店舗活用として化粧品専門店MINTHOUSE開業。その後、美容にはまり独学で化粧品、エステ、ネイルサロンと業種の幅を広げ新たな業態を築く。4年余り前よりセブン商店会に入会し、現在会長二期目を務める。

参 考:http://syoutengai-c.com/introduction-article/seven-syotenkai-interview/ 

林:長岡京市には4つの商店街があり、中心市街地から住宅地へ向かって行く途中に「セブン商店会」があります。私が加盟した当時は、29の加盟店から構成されていたのですが、商店会ができた当初から比べると20店舗も減少していたんです。前会長が「このままではアカン!」と声をあげたことで、商店会の存続へ向けた取り組みが始まりました。

2015年8月に「セブン商店会」への加盟を決めると、その後すぐに開催された役員会で自分が副会長になっていることに気がついた林さん。

林:当時は流石に驚きましたが(笑)、役員7名で活性化委員会を発足して、今後について話し合いを重ねました。

2016年4月から同商店会の会長に就任した林さんは、商店会の “活性化” について真剣に考えるようになり、活動の軸になる方向性を考えるために、商店会内外の人を交えて意見交換を行う「未来予想図委員会」を開催することにしました。

▲「未来予想図委員会」の様子(写真提供:セブン商店会)


林:
2016年8月に初めて開催した「未来予想図委員会」には、総勢40名という予想を上回る数の参加者が集まり、それぞれの自己紹介が終わる頃には、議論にも次第に熱が入っていきました。その日に出てきた意見やアイデアは、日頃お店を営んでいる店主にとっても新鮮で、改めて「セブン商店会」の存在意義を考える機会になりました。その後も、月に一度委員会を開催しながら、近隣の保育園の子どもたちを対象にしたハロウィンイベントや、店主の知識や技術を披露する「七光塾」といった取り組みを始めました。

▲ハロウィンイベントの様子。(写真提供:セブン商店会)

ハロウィンイベントは、地元の警察署の協力も得て実施。準備期間が1ヶ月ほどしかないなかで、「未来予想図委員会」のメンバーから声をかけた商店会加盟店が積極的に参加し、無事に開催されました。

林:ハロウィンイベントを楽しみに待っている子どもたちの期待に応えようと、回を重ねるごとに工夫が生まれ、加盟店にもますます力が入るという良いサイクルが生まれているように感じています。

(写真提供:セブン商店会)


林:
また、参加してくれた子どもたちの笑顔を見ていると、私たちのような「商店会」という立場からも、まちのデザインを考えられることに気がつきました。自分たちの「まちづくり」をみんなで考えていくことで、商店会そのものに、これまでとは異なる役割が生まれていくと思うんです。そのひとつとして、商店会で安心してお買い物をしてもらえるよう、車両の走行速度の30km規制を導入してもらうこともできました

そのほかにも、「未来予想図委員会」で出てきた “みんなが気軽に集まって飲める場がほしい!” “立ち飲みをやってみたい!” というアイデアをもとに、2018年8月に「立ち飲みセブン」を開催し、そこに参加した2店舗が新たに加盟店となりました。

▲たくさんの人が立ち寄り、新たな交流が生まれた「立ち飲みセブン」。(写真提供:セブン商店会)


こうした取り組みや、林さんの地道な関係性づくりの成果もあり、この3年間で加盟店は29店舗から50店舗に増加しました。

林:「セブン商店会」には、具体的な集客スポットがありません。だからこそ、「未来予想図委員会」を開き、来街者を増やすために、ハロウィンイベントや、「立ち飲みセブン」などを行いながら、商店会の活動に「関わりしろ」をつくって “人の絆” を大切にしてきました。時間はかかりますが、取り組みひとつひとつをみんなに賛同してもらいながら、一歩ずつ歩みを進めています。そういった ”絆” の中心には私たち「セブン商店会」という核があるからこそ、自分ごととして関わる仲間が集まってくれたのだと思います。

若者とともに商店街を楽しむ「場」のデザイン

続いては、京阪中書島駅前に広がる中書島繁栄会で2017年に「おこぶ 北淸」をオープンし、若者とコラボレーションしながらさまざまなイベントを企画・実施してきた北澤さんのお話へ。

北澤 雅彦(きたざわ まさひこ)氏
北淸昆布四代目/中書島繁栄会副会長

1962年、京都市伏見区生まれ。100年続く老舗昆布屋四代目。商店街に生まれ商店街を庭代わりに育つ。高校卒業後、家業を離れてデザイナーや輸入販売などの職業を経た後、昆布屋を継ぐことを決意。往年の元気が無くなった商店街をみて、さまざまな職業で得た経験をもとに一人から様々な活動を始め色々な人と出会う事で、現在も地域や商店街活性化の多くのプロジェクトに関わっている。

参 考:http://syoutengai-c.com/introduction-article/kitasekonbu-chushojima/

地元を離れた北澤さんが、商店街沿いにある実家に戻ってきたのが2000年のこと。かつて “この賑わいはこれからもずっと続くんだろうな” と少年心に感じていたまちの活気はなくなり、人通りも馴染みの店もなくなってしまった商店街を目の当たりにしてショックを受けたそう。

2011年に家業を継ぎ、ちょうどその頃に伏見を盛り上げていたメンバーと出会ったことがきっかけで、商店街だけでなく、伏見のまちの歴史を調べるようになった北澤さん。

北澤:先ず隗(かい)より始めよ(※1)」という思いで、まずは思いついたことを自分でやってみることにしました。おもしろいもの好きが高じて、これまでの商店街イベントとは毛色の異なる企画をしてきたため、商店街の方々に理解してもらえないこともありましたが、SNSでの発信を始めたことで新たな仲間ができました。

※1:先ず隗(かい)より始めよ・・・遠大な事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいいというたとえ。また、物事は言い出した者から始めよという意味。>

▲インパクトのある「中書島紅白歌合戦」のポスター。


例えば、伏見にゆかりのあるミュージシャンを呼んで町家でライブを行ったり、「まいまい京都(※2)」のガイドとして遊郭の跡地を巡ったり。そのほかにも、伏見とアートを掛け合わせたイベントや、地域を巻き込んだ映画の制作、銭湯での上映会、老舗カラオケラウンジでの「中書島紅白歌合戦」など、北澤さんが
精力的に動いた分だけ、人と出会い、つながり、次々に新たな企画が生まれていきます。

※2:まいまい京都・・・まいまいとは「うろうろする」という意味の京ことばで、「まいまい京都」とは、京都の住民がガイドする、京都のミニツアーです。(HP参照)

▲2017年3月にオープンした「おこぶ 北淸」は若者が集まる場になっています。(写真提供:北澤さん)


北澤:
そのなかでも、たくさんの若者が足を運んでくれる「Standing,Drinking 月一(つきいち)」というイベントがあります。伏見は日本酒のまちですし、日本酒と昆布はとても相性がいいんですよね。初めておばんざいと日本酒で立ち飲み会をやったときに、店から溢れるほど人が集まってくれたのですが、一緒に準備をしてくれた奥さんに相当負担がかかってしまって。それ以降は「やりたい!」と言ってくれる若者に順番に声をかけて開催しています。

▲一緒にイベントを企画する若手メンバー。(写真提供:北澤さん)


北澤:
私の場合は「こんなことやりたいんやけどどうかな?」と、一緒にやりたい人に声をかけていくスタンスで、さまざまな企画を行ってきました。まずは考えて、そのアイデアを試して、ときには間違えて、また試して・・・の繰り返しですね。今は生まれ育った「中書島」を盛り上げたいと思っていますし、この「中書島繁栄会」におもしろい若者やお店が集まってきたくなるような仕掛けづくりを頑張っているところです。

お二人からお話を聞いた後は、タナカさんが進行役となり、参加者を交えたクロストークが始まりました。

タナカ:商店街への加盟について声をかけた店舗に「加盟するメリットは?」と聞かれたらどうしていますか?

林:巻き込む側の気持ちが大切だと思っています。私の場合は、メリットがあるかどうか正直わからないけれど「まずは活動を見てほしい」と伝えますね。なかには、一度断られてから半年後に加盟してくれたケースもありました。SNSやマスコミを通して情報や取り組みを小出しにしながら、関わるメリットを感じてもらえるようにしています。

タナカ:取り組みを通して地域の変化を感じたことはありますか?

北澤:取り組みを通して、というわけではないですが、iPhoneが発売されてからずっと自分の考えをSNSで発信してきました。その結果、インターネット経由でおもしろい若者と出会うようになりました。

:「子どもたちの笑顔を商店会が応援しよう!」と取り組みを重ねてきたことで、今度は保育園の保護者会から 「セブン商店会を応援しよう!」という意見が出てきたと聞いたときは嬉しかったですね。地域の銀行も活動を応援してくれるようになりました。

参加者:空き店舗になっている物件を貸す気がないオーナーさんと出会った時の突破口はありますか?

:正直、ありません。ですが、どこが空き店舗で、どこが入居者を募集しているのかは把握するようにしています。セブン商店会内にも活用できそうな物件がようやく出てきたので、そこを突破口にしていきたいですね。

北澤:古くからある商店街では、空き店舗の2階をそのまま住まいにしているパターンが多いです。まずは自分からやってみようと、親に内緒で自宅を店舗に改修しました。そういった事例が一件できると地域側も変わってくるのではないかと思います。

参加者:商店街活動や新しいイベント企画の資金集めはどうやっていますか?

北澤:初めて「中書島紅白歌合戦」を企画した時は、人が集まらなかったら自腹でやろうと決めていました。映画制作はクラウドファンディングを活用し、同時に仲間集めも行いました。

:場合によっては補助金を使うこともありますが、基本的には会費で賄っています。商店街の会計は洗いざらい公表して、お金を透明にすることも心がけています。

参加者:「人の巻き込み方」について悩んでいるのですが、イベント開催時の人手不足はどのように解消していますか?

北澤:誰かに「手伝いたい!」と思わせるくらいのおもしろいイベントを思いつかない間は、やらないようにしています。

:セブン商店会では、サポーター制度をつくっています。商店会の加盟店以外にも巻き込まれてくれる人がだんだん増えてきました。でも、思い返せば、最初はわたしも一人でやっていました。ただ、その状況を見てくれていた人がいるので、次の年から巻き込めたんだと思います。

参加者:将来的に小売店を持ちたいと考えています。事業に加えて子育てなどの忙しさがあるなかで、週末だけでも出店したいと考えたときに、商店街との関わりをどうすればいいのか悩んでいます。そういう前提があると、商店街は入りにくいものなのでしょうか。

:そもそも、入りにくいと感じる商店街に加入する必要はないと思います。セブン商店会にも週に1,2回しか営業していないお店がありますが、行列ができるほどの人気店になっています。ただ、商店街は生き物なので「一緒になって地域を盛り上げていこう!」という気持ちはもっていてほしいですね。

北澤:私の場合は、地縁がある中で安心しながら新店舗を始められたのかもしれませんが、同じ業種の方や商店街の方に積極的に話を聞きに行くようにしています。大切なのは、“お互いさま” を理解する、理解しあえる関係性を築くことではないでしょうか。

タナカ:最後に、お二人が考える「これからの商店街のあり方」についてお聞かせください。

北澤:極端な話かもしれませんが、商店街は一度なくなってもいいんじゃないかと思っています。これまでのようなエリアに紐づいたものではなく、おもしろいまちにしていくための仲間として、広域にネットワークをつくっていけたらいいなと思います。そういう話ができる土壌がやっとできてきたのではないでしょうか。

林:私も、1年後には「商店街」という組織の枠組みを外していきたいと考えています。個店が大変だと言われる世の中で、もっと仲間同士でお互いのお店を利用しあえたらと思っていて。お互いを助けあえる商店街が、これからも残っていくのだと思います。

ゲストお二人のお話に参加者のみなさんからは、

  • 「商店街の枠組みをなくして行きたい!」というゲストの意見に非常に共感しました。
  • 自分がやって楽しいことをやる!という、当たり前ですがとても重要なことを改めて再認識させていただきました。
  • 地域の安全やコミュニケーションを土台に個店の事業発展につながっていくという考え方が大切だと感じました。
  • 情報の発信&人との連携・連動の重要性を再認識しました。

といった感想をいただきました。

最後の交流タイムでは、参加者の皆さんがお互いの活動の紹介や、連絡先を交換するなど、大いに会話がはずみました。

次回、商店街ネットワークサロンは「空き家活用とエリアの活性化」をテーマに、10月15日に綾部市で開催予定です!舞鶴市と京都市より2人のゲストをお招きし、空き家活用による拠点づくりとエリアへの広がりについてお聞きします。

■イベント概要

第2回・商店街ネットワークサロン@中丹「空き家活用とエリアの活性化」

日 時:2019年10月15日(火)19:00〜22:00(受付は18:30〜)
場 所:北部産業創造センター 2階多目的ホール
住 所:京都府綾部市青野町西馬場下33番1
アクセス:JR綾部駅北口ロータリー隣接
定 員:50名(先着)
申 込:FBページでの参加表明をお願いします
主 催:京都府、商店街創生センター
企画・運営: 株式会社ツナグム 

ライター
Anna Namikawa

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