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【第5号】「言葉にならない」言葉を紡ぐ。|だんだんテラス・辻村修太郎さん
2016/09/23
だんだんテラス前にて
だんだんテラス前にて

京都府の南部、大阪との府境に位置する八幡市。交通アクセスがいいことから、ベッドタウンとしての機能を果たしてきました。一時期76,000人強まで増えた人口も平成5年をピークに4000人ほど減少しており、街の歴史と共に住民の高齢化が進んでいるエリアです。

shoutengai今回訪れたのは八幡市の西側、男山団地。八幡市の総人口(72,291人:平成28年7月1日現在)の約3分の1が暮らしています。南北に約2kmほど続いている団地は、昭和40年代後半に都市基盤整備公団(現:独立行政法人都市再生機構 以下、UR)によって開発されました。

front

 

 

だんだんテラスはなんと、365日オープン。そんな男山団地が「住みたい、住み続けたい、男山」を目指していく中で、”地域に気軽に集まれる場所が欲しい”という住民の声があり、平成25年11月、男山中央センター商店街の空き店舗を利用したコミュニティスペースだんだんテラスが誕生しました。

時間は10時から18時まで。月に2回、夜にDang Dang Barという持ち寄り式のバーを開くときは21時頃まで。運営は、だんだんテラスの会(住民・大学生・UR職員・八幡市職員・京都府職員で構成される)が主体となって行っています。

子どもからお年寄りまで気軽に集まれる、地域の「居場所」

ラジオ体操

毎朝10:00から行っており、平均で10〜20人くらいの住民さんがやって来ます。

radio exercise

朝市

学生が近隣の農家を回って野菜を集め、1つ100円で販売する朝市は、週に3回(火・木・日)、朝10時から。販売開始10分前には人が集まり始めるほど人気なのだそう。

dandan terrace02

 

garden

▲テラスの前ではキュウリが育てられています。

 

Dang Dang BAR

毎月第2、第4金曜日の18:00~21:00に開かれている持ち寄り式のバー。世代を問わず1人で来る方が多く、また、飲みに出ることが少ない高齢者にとっての居場所にもなっています。

男山やってみよう会議

“幅広い世代が集い、まちづくりについて話し合い、具体的な取り組みを重ねる”住民会議が月に1回、開催されています。ここから生まれた「やってみよう」が実際に企画として動いています。

だんだん通信

だんだんテラスで起きている日々のできごとや地域の情報を発信するために、月に1回発行されている通信紙。男山の住まいにまつわる情報やインタビュー記事、イベント告知やコラムなどが掲載されており、男山地域全戸に配布されています。また、外への発信にはFacebookを活用しています。

手作り市 and フリマ

毎月8日の10:00~15:00に男山中央センター商店街で開催されています。地域交流の場にもなっており、住民さんによるものづくりのワークショップなども行われています。

ここに住む「人」、居場所となる「人」

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辻村 修太郎(つじむら しゅうたろう)さん 1989年吹田市出身。2013年に関西大学大学院 博士課程前期課程 理工学研究科 ソーシャルデザイン専攻 建築学分野を修了。だんだんテラスの立ち上げ・運営に携わり、男山地域の課題を発掘し、解決していくために、住民の声を拾っていく取り組みや、「やってみよう」を実現させていく取り組み、日々の団地の情報発信などをされています。

-男山団地に関わり始めたきっかけ

「団地のストック活用」に興味があり、もともとは研究プロジェクトで関わり始めました。そんな研究室のモットーは“地域に関わり続ける”ということ。現在、だんだんテラスに関わっている大学生・院生は15人ほどいます。

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▲朝10時前のだんだんテラス。ラジオ体操へ向けて徐々に住民さんが集まってきます。

 

-3年が経った今、肌で感じる変化

だんだんテラスは地域の声を拾って、行政やURとの橋渡しをしていく位置付け。ワークショップに来る層だけではなく、「住んでいる人」の声を拾っていくことを目指しています。そうした、「言葉にならない」声に耳を傾けることで、団地の中の潜在的な”孤独”や”不安”が聞こえてくるようになりました。例えば、運営スタッフの学生に家庭の話をしてくれる子どももいるんです。彼らがいることで、ここが子どもたちの居場所にもなってきていることがわかってきました。

そうやって、団地に住む人の情報がだんだん集まってくるようになりました。

-学生が地域に関わるということ

1〜2年ごとに学生メンバーが入れ替わるので、「いなくなるのは寂しい」と言ってくれる住民さんもおられますが、お盆などに卒業生が帰ってくるので、それがまた楽しみの一つになっています。

さらに、”集まって住むこと”の環境や建築について学ぶ学生が興味を持って取り組めるため、良い研究の場にもなっています。

-今後の運営について

当初の予定では、だんだんテラスの運営が住民主体になることを目指していたのですが、住民と学生の協働が重要であることがわかってきました。そうした、第三者(コーディネーター)の必要性を肌で感じているものの、成果を可視化するのが正直難しい部分もあります。ですが、継続して取り組む中で課題を1つ1つなくし、”だんだん”と前に進めていきます。

radio exercise

▲ラジオ体操が終わるとカードにスタンプを押してもらえます。皆さんスタンプがぎっしり!

 

おわりに

radio exerciseだんだんテラスができて3年。1年間で延べ9000人が訪れるテラスは、地域コミュニティの拠点になっています。活動を続けていく中で、地域に住む大学生など、近所の若者も顔を出してくれるようになりました。この場所にスペースがあることが、地域やここで暮らす人々に少しずつ変化をもたらしているのではないでしょうか。

radio excercise

 

 

ラジオ体操終わりに1人の女性がふと、「私ね、少し前に背中を打って腰が動かなくなったの。でも、ここで毎日ラジオ体操をしていくうちに、こんなに良くなったのよ」と笑顔でおっしゃる姿が印象的でした。

 

 

 

「だんだんテラス」という名前は”団地について談話する” “段々変わっていけばいい”といういう意味。それぞれが「住みたい、住み続けたい、男山」を目指して団地の住民さんが”やってみよう”と行動するためのお手伝いをすることがだんだんテラスの役割です。

今回は、商店街の中にあるコミュニティスペースとその取り組みについてご紹介させていただきました。周辺地域に暮らす住民との関係づくりを見直してみると、商店街と地域を紡ぐヒントが見つかるかもしれません。

◆ information ◆ 住所:八幡市男山八望3-1 B47-104 時間:10:00~18:00 連絡先:dandan.terrace@gmail.com だんだんテラスFacebookページはコチラ

ライター
Anna Namikawa
地域
山城

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