京都府の南部に位置する城陽市は、古事記や万葉集に登場する「山背(やましろ)の国」、古い歴史を物語る古墳や史跡が数多く残っている地域です。
JR城陽駅前商店街会(昭和46年3月に設立された当時は国鉄城陽駅前商店街会と呼ばれていたそうです。)は、JR奈良線の城陽駅から歩いて2分。京都府立城陽高校の通学路となっています。
商店街会の柱とそれを支える裏方たち
会長の宇田さんにこの商店街に出店しようと決めたエピソードをお伺いしました。
それは、「40年くらい前のある日、朝9時半頃この通りを通りがかった時、人が溢れて車が動けないくらい賑わっていた光景にピンと閃いてここに出店しよう!と決めた」とのこと。
当時は店舗もそれぞれ繁盛し、商店街会も会費収入だけでも裕福で、歳末大売り出しの景品が軽自動車のこともあったのだとか。
その後、景気の波とともに、その勢いもなくなり、一度は商店街会を休会にされた時期もありましたが、周囲からの要望があり復活させたそうです。
会長を辞めたくても、「なかなか後に人がなく、年をとってしんどいけどやれる時までやろう」と会長。
そんな会長が頼りにしているのは、理髪店をされている副会長の吉田さん。吉田さんが経理も担当して会長と2人、一生懸命頑張っておられます。
地元高校のボランティア部が盛り上げる!
JR城陽駅前商店街会では、子ども主体にこだわった二つのお祭りが開催されています。
一つは、曜日に関係なく5月5日に開催される「子どもまつり」。もう一つは、城陽市で3番目に賑わう「七夕まつり」、どちらも子どものイベントです。
▲子どもまつり ▲7月第1土曜日、45回を迎えた七夕まつり
会長さんも吉田さんも、子どもたちの笑顔を見たさにこの祭りを続けてこられるのかもしれませんね。でも、その運営は、準備も当日も大忙し。「祭りはしたいけど、いつまで自分たちのカラダが続くかなぁ・・・。」いつしかそんな不安が心をよぎるようになったとか。
そこに現れたのが、京都府立城陽高校(以下、城陽高校)の生徒たち、準備や当日の出店などを手伝ってくれるようになったのです。今では『ボランティア部』の面々が祭の心強い助っ人となっています。
城陽高校では、1年生の時に全員が部活動をすることになっていて、当初ボランティア部は在籍者0の状態だったそうですが7年前に1名の入部があり、その後友達が入部して増え、現在部員は30名ほどで活動されています。その中には、他部との掛け持ちの生徒もいるとのこと。
子どもまつりに生徒が参加するきっかけは、美術部の先生から商店街に何か協力することはないかと申し入れをされて始まったとお聞きしました。
現在、美術部はJR城陽駅前周辺マップや近鉄寺田駅前周辺マップを作成し、商店街を紹介する活動をしています。
商店街について高校生に聞いてみました。
部長の中井倖美さん始め3年生の部員の方々。
~Q:なぜボランティア部を選んだのですか?~
- ・学校のHPを見たり学校紹介で見て興味をもった。
- ・中学の時からボランティア活動をしていたから。ちょボラ(ちょこっとボランティア)をしてみて、人の役にたつのは嫌なことではないなと思い、3年間が有意義になると思ったから。
- ・1年生の時に他の部活をやめて、フリーになったからボランティアをはじめてみよう!と思って実際やってみたら楽しかった!
~Q:いつも通るこの商店街の印象は?~
- イメージは、長い感じだけど、こぢんまりしていて各商店の仲が良い感じ。
- 店の人が気さくでしゃべってきてくれるし、あたたかい。
- 学校から夜遅く帰る時、水度神社の参道が暗くて怖いけれど商店街は明るくて安心する。
- パッと見、暗くて栄えてないな~(笑)
~Q:商店街でボランティアをして思うことは?~
- 祭りを通して「ありがとう」と言ってもらえたり、商店の方に声をかけてもらえることが嬉しい。
- 卒業したら子ども達と関わっていきたいので活かしていけるかな。
- まつりで子どもたちに接して楽しい。
- 将来、子どもに関わる仕事がしたい。
これから取材します!との訪問だったので、シャイな彼女たちは、インタビューではたくさん話してくれなかったけれど、後日まつり当日に伺うとイキイキとしていました。
▼みなさん、大活躍の写真がコチラ!
■準備では、ハシゴにも上る!
■手作りのゲーム(射的とわなげ) ■定番のスーパーボールすくいも人気です。
■近隣のアクティ城陽商店街の夏まつりも大学生やボランティアさんと一緒にお手伝いされています。
OBになっても駆けつける
7月にある「七夕まつり」は、高校の定期試験中と重なり現役たちはお手伝いできないのですが、その時にはOBが手伝いに来られます。
七夕まつりは「七夕だから笹でも飾ろうか」という声に、商店街で短冊を書いて、通りに4本くらい飾っていましたが、その後は周辺地域の保育園に声をかけて枚数は500枚になり、今では700枚にまで増えているということです!!毎年、子どもたちが書いたかわいい短冊を見に、子どもたちの親はもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんなどたくさんの方が来られます。JR城陽駅前商店街会といえば、誰もが「七夕まつり」を思い浮かべるほど、人気のあるお祭り。
また、子どもまつりは、日時を固定して開催することで、この地を離れてしまった人でも「この日は子どもまつり」とわかるので、毎年この時期になると楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいます。
子どもまつりも七夕まつりも出店者は、業者にお願いせずに商店街のお店や地域の方たちの手作り市なので、保護者からは「子どもだけでも安心して祭りに送り出せる」という声が寄せられるそうです。
大学院生で高校の時からずっと手伝っている七夕まつりのエキスパート 杉原功一郎さん(向かって左端)。弟さんも一緒にお手伝いされています。
高校生ボランティアをとりまとめられている副会長の吉田さんが一番うれしいことは「OBたちが結婚して自分の子どもを連れて来たり、帰郷の際には会いに来てくれること」で、その時にはやっていてよかった、また来年もしようかなと感じるとのこと。
高校生ボランティア部が商店街会を盛り上げる!子どもも大人も商店街も笑顔になる魅力いっぱいのJR駅前商店街会に来てみませんか!
■JR城陽駅前商店街会■
■京都府立城陽高等学校ボランティア部■