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【第9号】まずはきっかけづくりから、Hへの新しい入口をつくる|亀岡・H商店街 井尻会長
2016/11/15
H商店街 井尻会長  Photo by  Yuji Otsubo
H商店街 井尻会長 Photo by Yuji Otsubo

勝ち運の城下町、亀岡「H商店街」

H商店街は、京都府亀岡市にある1953年に作られた商店街。思わず二度見してしまうような名前だが、創設当時の加盟店舗の位置が“H”の形をなしていたことが名前の由来だそうだ。その後、国道9号線が出来たことで商圏が広がったため、南側にも加盟店舗が増え、当初の“H”の形が崩れ出す。現在、商店街には飲食店は少なく、美容室や物販店が多く残っている。

そんなH商店街の会長を務める井尻さんにお話を伺った。

Kameoka H Street Shopping District

H商店街の入り口 Photo by Yuji Otsubo

—H商店街の特徴は何ですか?

特徴としては、昔から”大勝利の守護神”として信仰されている「負けきらい稲荷」が、商店街の近くにあることですね。この稲荷には、大事な勝負を控える人が遠方からもこぞって訪れます。

あとはやはり「H商店街」というネーミングも特徴的かもしれません。どんな人でも、一度この名前を見聞きすると興味を持ってくれますからね。今は加盟店の変化で通りの形が当初の”H”ではなくなっているのですが、それぞれの入り口に看板が設置されています。

*負けきらい稲荷とは…かつて、寛延の頃に毎年将軍上覧の相撲大会が開催されていたそう。当時、この地域を治める亀山藩にもお抱えの力士がいたのだが、彼は負けてばかりだった。そんなある日、この稲荷の化身が力士となって現れ大勝利を納めたことから、地元の方々からも”大勝利の守護神”として広く信仰されるように。この負けきらい稲荷のすぐ側にH商店街が位置することから、守護神にあやかり「勝ち運の城下町」として発展してきました。

 

—確かに名前のインパクトはかなり大きいですね。会長から見て、H商店街のいいところは何ですか?

何か新しい取り組みを始めようと言い出した時に、反対せず前向きに受け入れてくれる人が比較的多いです。例えば、商店街の店主が様々な講座を開講する「負けきらいゼミ」という催しを行う際も、多くの店舗が快く協力してくれました。

*H商店街は株式会社基地計画と協力して、2016年9月から10月にかけて『負けきらいゼミ』という取り組みを行った。1ヶ月で20回以上のゼミが開催され、地元住民と商店街の交流が図られた。

kameoka H ijiri kaicho 02

—「負けきらいゼミ」を開催してみた手応えはいかがですか?

参加者のうち、約半数が新規顧客でした。これはすごいこと。ゼミを開講することで商店街を訪れるハードルが下がり、普段は入りにくいと思っていた人にとって、来店のきっかけになることができたのではないかと思います。今後、その新規のお客さんがお店に再び来てくれると嬉しいですね。

—商店街に足を運ぶ”きっかけ作り”として成功したということですね。「負けきらいゼミ」の他にも、H商店街で何か取り組んでいることはありますか?

負けきらい稲荷を絡めたH商店街のプロモーションビデオを作製し、YouTubeで配信するなどの積極的なメディア発信を行っています。

*H商店街の特徴が伝わってくる楽しい動画となっています。是非ご覧ください。

また、5年ほど前までは、毎年夏祭りを開催していたんです。しかし、一時的なイベントを行うのではなく、日頃からの地道な努力でファンを作ることが大切だと気づきました。そうすることで、商店街の体力を養おうと考えています。

makekirai shrine

負けきらい稲荷 Photo by Yuji Otsubo

—持続性のないイベントではなく、日頃の営業活動で努力・工夫を凝らすことに重きを置いたのですね。現在、H商店街が抱える課題とは何でしょうか?

いくつかあります。まず1点目が、加盟店の後継者不足。今ある加盟店のうち、後継者がいる店舗は大体半数ほどしかありません。 2点目は、買い物客の7割程度が高齢者であること。そのため、10年後・20年後、商店街のお客さんが今より大幅に減る可能性があります。 3点目は、負けきらい稲荷とH商店街がうまくリンクしていないこと。負けきらい稲荷へ参拝しても、その後H商店街で買い物をする人は少なく、結局いくら「負けきらい稲荷」と「H商店街」を宣伝しても、個店の努力・工夫がないとお客さんは商店街で買い物をしてくれません。

—なるほど、対処すべき課題は多そうですね。井尻さんが会長のうちにやっておきたいことはなんですか?

年会費以外で商店街の財源を確保できないかと考えています。具体的には、亀岡のご当地キャラクター「明智かめまるくん」が描かれた「かめまる煎餅」をお土産として販売することを考えています。現在、かめまる煎餅は期間限定で販売しているのですが、今後はパッケージもきちんと行い、常時販売するような仕組みを作りたいと考えています。

-井尻会長、お話ありがとうございました。

Kameoka H Street Shopping District

Photo by Yuji Otsubo

商店街は、街灯で夜道を照らすなどといった、地域を支える役割を陰ながら担っている。商店街が今後もそのような役割を果たすためには、商店街としての財源の確保が重要な課題となってくるのかもしれない。

また、会長は最近、商店街内に買い物客や学生、地域の方々などが気軽に訪れ、交流できる拠点がつくれないかと動いているらしい。そうやって、地域でお店を持つ方や住む方々、外から遊びに来てくれる方々の交流から何か新しいものが生まれていくのかもしれない。このH商店街で、次はどんな取り組みがされるのか楽しみだ。

ライター
Shuya Kuroki
地域
南丹

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